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子どものO脚・X脚

2017年11月15日

山梨大学医学部附属病院整形外科助教 若生政憲(2015月11月執筆)

子どものO脚やX脚を心配して受診されるお母さんが増えています。祖父母に「歩きかたがおかしい」と言われたり、保育園で「お宅の子はよく転ぶ」と言われたりしたことがきっかけで、病院に来られることが多いようです。
両足をそろえて立ったとき、両ひざの間にすき間ができるのをO脚、反対に左右のひざがくっついて当たってしまうのをX脚といいます。O脚もX脚も程度が軽ければ、全く問題なく一生を過ごすことができます。どちらかといえば、日本人にはO脚の人が多く、西洋人にはX脚気味の人が多いようです。
赤ちゃんはO脚が普通で、2歳ごろまでその状態が続きます。これを「生理的O脚」といいます。2歳を過ぎると自然に矯正され、3歳のころには逆に、少しX脚になるのが普通です。これを「生理的X脚」といい、小学校低学年まで続きます。小学校高学年から中学生になると、自然に矯正され真っすぐな脚になります。O脚やX脚を心配して病院に連れてこられる子どもの90パーセント以上は、生理的なO脚やX脚であることが多いのです。そのため、全く治療の対象にならないことを、お母さんに理解してもらうことが大切です。
しかし、2歳以下でも、両ひざの間に5センチもすき間のあくO脚は、病的なO脚の可能性があり、整形外科を受診することをお勧めします。病的な場合の代表的なものとして「ブラント病」と「くる病」があります。どちらも特徴的な所見があり、多くの場合レントゲン検査で判断が付きます。
ブラント病は、ひざの内側で脛すねの骨(脛けいこつ)に成長障害が生じる病気で、外側の骨ばかり成長するためO脚が悪化します。この場合は、半年に1度くらいずつ経過観察をして、4歳くらいまで待っても改善傾向がなければ手術を行うこともあります。くる病は、ビタミンD欠乏によるものと遺伝性の2タイプに大別され、偏った食生活等によるビタミンD欠乏の症例は近年増えています。いずれのタイプも的確な診断の下で早期にビタミンDの補充や食事療法を行えば、骨の変形は回復していきます。そのほか、骨系統疾患といった全身の病気に伴うO脚やX脚もありますが、この場合は低身長などの全身性の発育障害がまず問題になります。
いずれにしても、大部分の子どものO脚やX脚は治療の対象にならないものです。整体やマッサージなどは、効果も科学的根拠もないばかりか、時間と労力の無駄遣いとなります。もし、子供のO脚やX脚が気になる場合は整形外科の受診をおすすめします。

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